にっき丸

墨野ゆきおのにっき丸

自炊手順

 自炊する人のために、自分の手順を公開します。

 自炊は奥が深.....くはないですが、こだわり始めると止まりません。それは、スタートになる原本の状態も様々、機材も様々、最終的な閲覧方法も様々で、ベストを追い求めていくうち何がベストか分からなくなってくるからというのが大いにあると思います。それに加えて、本というのは十数冊で済むものではありませんから、何がベストなのか分からず不安な中、数という暴力で殴られ続けた結果、精魂尽き果て自炊作業をやめる...という方が多数いらっしゃるのではないかと想像します。

 なぜなら私がそうだったからです!!!!

 4、5ヶ月してやる気になったので復活しましたが、これから自炊する人・今自炊している人・自炊おやすみ中の人、私のやり方を読んで参考にしてもらえればなと思います。あと、自炊を長期休んでやり方を忘れた未来の自分も。
 ただ、How toではないのでよろしく。赤裸々に自分のやり方を書いているだけです。パンツ見られるより恥ずかしいですね。

というわけで、使っているものは以下。

  • DR-C240(グレスケに強いらしいので)
  • DURODEX 180DX(縦にしまえるのは良い)
  • ミニホットプレート(山善のやつ)(クソやすい)(1500円ぐらい)
  • メガネ拭き(マイクロファイバーのやつ)
  • キッチンペーパー(なんでもいい)
  • ウェットティッシュ(あれば便利)(なければないでよし)

 

あと、前提として、

  • そこそこの時間で
  • そこそこのクオリティ
  • カラーの色はあんまり気にしない

の3つがあります。

 

 

以下やり方。

  1. 裁断……………………………………一番時間がかかる
  2. 本文スキャン(グレスケ)…………トーンの削りが出ていればよし
  3. 表紙スキャン(カラー)
  4. 名前付けなど整理
  5. 保存

 

 大まかに分けるとこんな手順

 スキャンの質を決めるのは1から3で、ネットには質を上げる方法を模索してる人がいっぱいいるけど、4と5も大切。自炊する前は適当に考えてたけど、実際やってそう思うようになりました。
 あと、1から3でちょっと失敗しても、読書用にデータを作成する時点でちょっと挽回できる。ちょっと失敗してちょっと挽回ならプラスマイナスゼロで、なんとかなったりする。(特にページ影)だから、スキャナ中は縦線が入った時ぐらいしかやり直ししてないです。

 

1. 裁断

 裁断するために分冊します。

 まず、コミックスです。
 コミックスのノリは多くの場合ホットメルトです。キッチンペーパーをかませてホットプレートで熱し、中表紙と本文を分けます。ホットメルト以外は仕方ないので毟ります。
 中表紙はそのままスキャナに通すので、中表紙のホットメルトはできる限り取ります。もちろん本文のホットメルトも取りたいところですが、あまり熱すると黄ばんでガサガサになりたわみが出て、スキャナした時に影になります。(ページ影がうねっていたり、薄いトーンにモアレ部分ができたり……。)ホットメルトを熱するうち、綴じ方が斜めになって裁断にも影響する場合もあります。なので分冊できる程度に熱する(ついでに取る)ぐらいにしておきます。
 分冊は、裁断機の能力や個体差もありますが、私は10~40枚ぐらいにしています。枚数は少ない方が綺麗に切れますから。
 ただし、見開き部分だけはホットメルトが柔らかいうちに1枚1枚にしています。(天や小口を見て見開き部分を探します)ノリをつけるためのくぼみキズ?や、ノリ残りが激しい場合は諦めて裁断する場合もあります。

 小説等の文字主体のものは適当です。ベスト裁断ゾーンはそんなにシビアではないので、かなり大胆に分冊のちバッサリ裁断します。ノリが残っていないことが大切です。挿絵がある場合は、ホットメルトを溶かして挿絵のある部分を1枚づつにする⇒文章のあるところだけバッサリ裁断。

 雑誌はしないのでわかりません。カラーの色とか重要っぽいし、興味ないしで、多分これからもしないんじゃないかなァ……10インチぐらいのカラーe-inkディスプレイが出回ったら興味出るかもしれないけど 50年後ぐらいかなァ

 裁断時は、あんまり直角とか気にしないようにします。印刷物は多かれ少なかれ歪んでいますから。気にするならば、ノリがある辺に合わせるか、印刷の途切れに合わせます。また、枚数が少ないと軽いので裁断する時にズレます。文庫本でいいので重しをします。
 裁断できたら、1枚1枚ちゃんと離れているかチェックします。面倒ですが、ノリのこり、ひいてはスキャナつまりを避けるために必要です。スキャナつまりは紙をダメにしてしまうかもしれません。(折れ、破れ)

 コマ枠外にノリのこりがあるならば、そのページだけ裁断してしまいます。
 コマ枠内にノリのこりがあるならば、ホットメルトを熱して外します。
 最後にノリが付いていた側から見ると、ノリ残りが分かる気がします。
 ノリのこりがないことが、スキャンをスムーズに進めるためにとても大切です。

 

2. 本文スキャン(グレスケ)

カラー口絵も全てグレスケで取ります。

 次の表紙スキャン(カラー)でカラー部分のみスキャナしますので、とりあえず本文一通り取ってしまう感じです。
 裏写り・地色除去・影消しは全てオンで取ります。明るさやコントラストは本によりますが、殆ど変えません。
 保存名は3なんとかに連番としています。保存の項で説明しますが、表紙や中表紙の名前の最初に1や4などの数字を付ければ、本文の前や本文の後ろに並べられるようにするためです。

 縦線対策のため、もちろんローラーやガラス面の掃除は頻繁にします。一度にセットする紙は20~30枚程度にし、追加するたび掃除をするようにすると忘れなくていいです。めんどいですが…。
 スキャナーの紙ばさみ? 原稿ガイド?みたいなのが緩くて紙がズレる気がするので、マスキングテープでずれないよう止めています。

 

3. 表紙スキャン(カラー)

 汚れているのであれば水拭き、シール跡などは除光液。表紙って結構汚れているので...でも気にするのはコミックスぐらいです。除光液は弱いものを使ってます。わざわざ用意したわけではなく、手持ちのがオーガニックのやつだったので...でもなんとなく本に優しい気がします。なんとなく 根拠はない 弱めのものでも十分ですということが言いたかった。
 中表紙に外表紙を閉じた状態・外表紙のみ・中表紙のみ・カラー口絵のみで取ります。
 中表紙に外表紙を閉じた状態・外表紙のみは、入れる方向を逆にしてもう一度取ります。光の当たり方で、先に入った方が白飛び、最後の方が黒影になっているからです。フラべがあれば良いのでしょうが、良いフラべがなく、またフラべもフラべでホコリ掃除がしんどいのでこのスタイルになりました。

 

4. 名前付けなど整理

 こんなファイル分けで管理しています。

データファイル

  ISBNと本のタイトル

    本文

    表紙

 

 まず、表紙スキャン(カラー)で取った中で一番良さそうなのから表紙を切り取り、本文のファイルへ。その時、名前の最初に1と付けます。本文スキャンの時、3と名前につけていたはずなので、名前順であれば自然と表紙が一番前に来るはずです。
 その他表紙スキャンで取ったところで読む時にひと続きにしたいところは、すべて同じようにします。そうすれば、あとは本文フォルダごと好きなように処理するだけ!端末を変えた時もラクチンです。

 

5. 保存

 まだ模索中です。誰かいい方法あったら教えてください。

 クラウドストレージはお金がないので無理です。
  死ぬまで自炊するなら、たぶん5TBはゆうに超えるだろうし……。

 2020年ももうすぐですが、その頃には1TBなんて1000円ぐらいになってると思ってました。そこまで使うデータ量が増えていないというのもあるんだとは思うんですが、なんか未来って遠いなー、みたいな。

 

以上